「YouTubeが読み込み遅い」「ゲームのラグがひどい」…ネットの不調はルーター?回線?それとも相手のサーバー?
そんなときに役立つのが、Windows標準の「tracert(トレースルート)」コマンドです。この記事では、tracertの使い方とネット経路の読み取り方法を初心者向けに解説します。

tracertとは?
tracert
(Linuxではtraceroute
)は、自分のPCから目的のサーバーまで、どの経路を通っているかを調べるコマンドです。
つまり、ネット通信が「どこで遅れているのか」「どこで詰まっているのか」がわかります。
tracertの基本的な使い方
- Windowsキー+R →「cmd」と入力 → Enter(コマンドプロンプト起動)
- 以下を入力:
tracert www.google.com
目的のサーバー(Googleなど)に向かって、ルーター・プロバイダ・経由ノードを順番に表示してくれます。

tracertの出力の見方
出力は「ホップ」と呼ばれる中継点ごとに表示され、以下のような情報が出ます:
- ホップ番号(1, 2, 3…)
- 各ルーターの応答時間(3回の計測)
- ルーターのIPアドレス or ホスト名
例:
1 2 ms 3 ms 2 ms 192.168.1.1 ← 自宅ルーター
2 12 ms 13 ms 11 ms isp-gateway
3 35 ms 48 ms 37 ms tokyo-bb01
...
10 230 ms 220 ms 225 ms 72.14.204.99 ← Googleサーバー
通信遅延や断線の判断ポイント
- 途中のホップで急にmsが跳ね上がる → その区間で遅延発生
- 「要求がタイムアウトしました」 → 通信遮断、フィルタ、または応答拒否
- ホップ数が30超えても到達しない → ルーティングループ or 通信不可
つまり、tracertで通信の「どこが詰まっているか」を特定できるのです。
tracert活用の具体例
- 社内から特定サイトにだけ遅い → 社内ルーターやDNSの問題の可能性
- ゲームのラグが出る → 国内→海外間のISPで遅延が発生していることも
- VPNが切れる → 経路途中のノード不安定が原因のことも
よくある疑問:tracertで「*」や「タイムアウト」が出たら?
「* * * 要求がタイムアウトしました」と表示されるのは、以下の理由が考えられます:
- その中継ルーターがICMP(ping)応答を遮断している
- セキュリティのため応答を拒否しているだけで、通信は通っている
- 完全に断線している or パケットロスしている
後続のホップが表示されていれば、通信そのものは通っていると判断できます。
tracertと合わせて使いたいコマンド
ping www.google.com
:応答時間・ロス確認ipconfig
:IPアドレス・DNS設定の確認nslookup www.google.com
:名前解決の詳細確認
ネット診断用アイテム:Wi-Fiが不安定ならこれ
tracertで宅内〜プロバイダ間の遅延があるなら、無線LAN子機の性能アップも有効です。
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まとめ:tracertで「どこが悪いか」が見える
ネットが遅い、特定のサイトが重い、その原因が自分の環境なのか、外のネットワークなのか。tracertを使えばその見極めができるようになります。
最初はとっつきにくいかもしれませんが、慣れれば超便利な診断ツール。Ping・ipconfigと合わせて、ネットワーク診断の三種の神器としてぜひ覚えておきましょう!
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