通信が遅いのはどこ?tracertでネット経路を確認する方法【初心者向けネットワーク解析】

tracertで家庭の通信経路を調べるイメージイラスト ネットワーク・Wi-Fi

ネットが遅い原因は、Wi-Fiだけとは限りません。Windows標準のtracertでは、目的地までの経路上で応答した機器と往復時間を調べられます。ただし、途中の「*」や大きな数値だけで故障箇所を断定することはできません。

tracertコマンドとは?

パソコンから宛先へ調査用のパケットを送り、中継地点を順に調べるコマンドです。表示の各行を「ホップ」と呼びます。経路には応答を返さない機器もあり、表示された行がネットワークの全機器を表すわけではありません。最後の行が宛先なら、その行は中継ルーターではなく目的地です。

経路を調べる前に応答の有無を比較したい場合は、Pingでゲートウェイと外部の宛先を確認する手順が参考になります。Pingの結果と発生時刻を残してからtracertの結果を見れば、相談時の情報を整理しやすくなります。

tracertの基本的な使い方

スタートで「cmd」を検索し、コマンドプロンプトを開きます。自分が利用する公開サイトを宛先に、次のように入力してください。URLの「https://」やページのパスは付けません。会社・学校では管理者の調査方針に従います。

tracert www.microsoft.com

左端はホップ番号、中央の3つの値は各試行の往復時間(ms)、右端は応答した機器の名前やIPアドレスです。各行の時間は、その前の行からの所要時間ではありません。合計してサイト表示時間を求めることもできません。

待ち時間が長いとき

tracert /d www.microsoft.com

/dは途中のIPアドレスを名前に変換する処理を省きます。通信そのものを高速化する設定ではありません。終了を待てない場合はCtrl+Cで中断できます。IPv4とIPv6を比較するときは /4 または /6 を指定し、同じ条件の結果を比べます。

よくある通信トラブルとその見え方

途中に「*」があっても、その先が応答する

1     2 ms    2 ms    1 ms   (自宅のルーター)
2      *       *       *     要求がタイムアウトしました。
3    25 ms   24 ms   25 ms   (応答した宛先)

これは見方を説明する架空の例です。2行目が応答しなくても、3行目が返れば調査パケットは先へ進んでいます。機器が調査への応答を制限することもあるため、2行目を故障と決めないでください。

途中の1行だけ数値が大きい

ルーター自身が返す調査応答の優先度が低い可能性があります。後続の行や宛先では小さい値に戻っているなら、その1行だけで回線が混雑しているとは言えません。宛先まで遅延が続くか、実際の利用でも不調かを確認します。

最後までタイムアウトする

宛先に到達した応答を確認できなかった状態です。通信障害のほか、ICMPへの応答制限、最大ホップ数、経路などが関係します。Webサイトが普通に開く場合もあり、「完全に遮断されている」とは断定できません。

調査後の対応策|ネットが遅いときにやるべきこと

同じ宛先・接続方式で、正常な時間帯と不調な時間帯の結果を残します。VPNの有無も記録してください。数回の比較で十分で、連続して大量に実行する必要はありません。

Wi-Fiのみで不調なら、ルーターの近くや有線接続で比較します。全端末で同時に不調なら障害情報を確認します。ルーターの再起動は説明書に従い、家族の通話や作業が終わってから行ってください。年数だけを理由に買い替える必要はありません。

問い合わせ時は「○時に動画が止まった」「有線でも発生」「この宛先で調査した」と症状を添えます。tracertの出力だけを渡すより、再現条件があるほうが調査に役立ちます。公開するスクリーンショットではIPアドレスや社内名を伏せましょう。

経路を確認した後、応答の統計も調べたい場合は、pathpingの使い方と損失率を読み違えないための注意点も参考になります。応用編では、このPCの通信量を確認するリソースモニターの見方も紹介しています。

初心者にも使いやすいネット診断の学び方

まずはWindows標準機能で十分です。ipconfigで現在の接続設定を確認し、tracertで経路の応答を調べると、役割の違いが分かります。速度測定と経路調査は別の作業です。

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まとめ|tracertでネット診断の第一歩を踏み出そう

tracertは原因の断定ではなく、比較や相談に使う材料を集める道具です。「*だけで異常と判断しない」「宛先までの結果を見る」「実際の症状と合わせる」の3点を押さえて使いましょう。

参照:Microsoft公式:tracert(2026年9月確認)。

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