SSDにクローンしたのに起動しない…!?実際に体験した富士通ノートPCのトラブル解決記
「HDDをSSDに交換すると爆速になるって聞いて、試したら起動しなくなった…」
こんな経験、ありませんか?
僕自身、まさにこのトラブルに直面しました。普段からパソコンを触るのは好きな方ですが、いざ自分でSSDにクローンしてみたら、まさかの「起動しない」という絶望的な状態に陥ったのです。
特に、僕が使っていたのは富士通のノートパソコン(AH45/K)。このモデルには、他のメーカーにはない独自のシステム「トラブル解決ナビ」が搭載されていて、これが起動を邪魔する原因になっていました。
この記事では、SSDクローン後に起動できなかった原因から、手動でブートを修復して復旧するまでの具体的な手順を、初心者にもわかりやすく紹介していきます。
同じように困っている方に向けて、実体験に基づいたガイドになっていますので、ぜひ最後まで読んでください。
SSDクローン後、起動できない原因は?
まず、一般的なSSDクローン作業では、HDDのデータをそのままSSDにコピーすればOKと思いがちです。しかし、富士通のノートパソコンには「トラブル解決ナビ」という独自機能用のパーティションが存在します。
このパーティションが、通常のWindowsの起動よりも優先して読み込まれる構造になっているため、単純にクローンを行うと、正しくWindowsを起動できず「トラブル解決ナビ」に強制的に入ってしまうのです。
さらに、EFI(Extensible Firmware Interface)領域が正しく作成されていなかったり、bcdbootコマンドでのブートファイル設定が失敗していた場合も、Windowsを正しく起動できません。
簡単にまとめると、起動できない原因は次の3つです。
- 富士通特有の「トラブル解決ナビ」パーティションが干渉している
- EFIパーティションが破損または欠損している
- bcdbootによるブート情報設定に失敗している
次のセクションでは、これらの問題をどのように特定し、ひとつずつ解決していったのか、具体的に紹介していきます。
実際に起きたトラブルとその症状(写真あり)
SSDクローンが完了した後、期待に胸を膨らませながらSSDを取り付け、いざ電源を投入しました。
最初は順調そうに思えました。富士通のロゴが表示され、「あれ?普通に起動するんじゃない?」と一瞬思ったのも束の間……。
出てきたのは見たこともない「トラブル解決ナビ」という青い画面でした。
この画面では「パソコンの診断」や「リカバリ」などが選べるのですが、肝心のWindowsの通常起動には進めません。何度再起動しても、富士通ロゴ→トラブル解決ナビの無限ループ。
絶望感を抱えながら、原因を探るために、今度はコマンドプロンプト(Shift + F10)を起動し、diskpartコマンドでパーティションの状態を確認してみました。
すると、怪しいポイントがいくつも浮かび上がってきたのです。
- 通常のCドライブ(NTFS形式)以外に、複数のFAT32パーティションが存在
- FAT32の一部が、回復領域ではなくトラブル解決ナビ用に使われていた
- 正しいEFI(システム起動用の領域)が見当たらない、または壊れている
この段階で、僕はようやく「クローンは物理的には成功していても、ブート構成が破壊されている」という深刻な事態に気づきました。
つまり、データは移動できていても「起動できる構造」が再現できていなかったのです。
次のセクションでは、どうやってこのブート構造を復元し、正常にSSDから起動できるようにしたのか、具体的な復旧作業を紹介していきます。
EFIパーティションの再作成とbcdbootによる修復手順
パーティションの状態を確認した結果、正常なEFI領域が存在しない、もしくは破損していると判断しました。
そこで次に行ったのは、「EFIパーティションを新しく作り直し、ブート情報を手動で復元する」という方法です。
この作業には少しコマンド操作が必要ですが、順番にやれば難しくありません。
1. diskpartを使って新しいEFIパーティションを作成する
まず、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行していきました。
diskpart
list disk
select disk 0 (※システムディスクを選択)
list partition
create partition efi size=100
format fs=fat32 quick
assign letter=Z
exit
これで、新しい100MBのEFIパーティションがZドライブとして作成されました。
2. bcdbootコマンドでブート情報を復元する
次に、Windowsの起動ファイルを新しいEFI領域にコピーします。
bcdboot E:\\Windows /s Z: /f UEFI
(※ここで「E:\\Windows」は、実際にWindowsがインストールされているパーティションのドライブレターに合わせて変更してください。)
このコマンドが正常に完了すると、Zドライブ(EFIパーティション)にブートマネージャが復元され、BIOS上にも「Windows Boot Manager(SSD名付き)」が認識されるようになります。
ここまでくれば、SSDから正常にWindowsを起動できる可能性がグッと高まります。
しかし、まだ油断はできません。次のステップでは、「それでもトラブル解決ナビに飛ばされる場合」の最終対処法を紹介します。
それでも「トラブル解決ナビ」が立ち上がる時の対処法
EFIパーティションを作り直してbcdbootも完了した。 それでもなお、起動時に「トラブル解決ナビ」が立ち上がってしまうことがあります。
この場合、原因はズバリ「BIOS設定に古いブート情報が残っている」ことです。
1. BIOS(UEFI)設定を見直す
PC起動時に[F2]や[Del]キーを押してBIOS設定に入りましょう。
確認すべきポイントは「Boot Priority(起動優先順位)」です。
- 【正しい】Windows Boot Manager(SSD名付き)を最優先に設定する
- 【不要】Recovery、Generic HDDなど怪しいエントリは無効化、または順位を下げる
これで正しくWindowsが優先的に起動されるようになります。
2. 古い起動情報が削除できない場合は?
BIOSによっては、古いエントリを削除できない場合もあります。その場合でも心配無用です。
EFIパーティション内のブート構成が正しく整っていれば、正しいWindows Boot Managerが自動的に選ばれるようになります。
最悪、別の方法で手動修復することもできますが、多くの場合は「ブート優先順位を変えるだけ」で解決します。
ここまでやれば、ようやく「トラブル解決ナビの呪い」から完全に脱出できます。
そして、いよいよWindowsのログイン画面が見えてくるはずです。
ようやく起動したけど…Microsoftアカウントの壁
EFI修復も完了し、無事にWindowsのログイン画面までたどり着きました。
ここで「よっしゃあ!」とガッツポーズを決めたかったのですが、さらに新たな問題が待ち受けていました。それが、Microsoftアカウントによるログイン問題です。
もともとこのPCは、Microsoftアカウントでログイン設定されていました。
しかし、SSDクローン後の初回起動時には、再認証を求められることが多いです。ここで求められるのが、登録済みの携帯番号へのSMS認証コード。
……ところが。
登録されていたのは、なんと「固定電話番号」。SMSなんて届くわけがありません。
つまり、認証コードを受け取る手段が存在せず、Microsoftアカウントにログインできないという詰みの状態に陥ってしまったのです。
どう対処すればいい?
この場合、別アカウントを作成してログインする方法があります。
また、ローカルアカウントに切り替えることで、Microsoft認証をバイパスしてPCを使い続けることも可能です。
このあたりの詳しい手順については、別記事でまとめていますので、もし同じ問題に直面した方は参考にしてください。
関連記事:
Windowsパスワードを忘れたときのログオン回避テク【2025年版】|最終手段と注意点まとめ
おすすめのクローンソフト紹介
今回の一連のトラブルを経験して、痛感しました。
「クローンソフト選びは、本当に大事だ」ということを。
無料ソフトでもうまくいく場合はもちろんありますが、特殊なパーティション構成を持つ富士通PCのような機種では、信頼性が高く、システムクローンに強いツールを選ぶべきだと心から思いました。
そこで、もしこれからSSDへのクローンを考えているなら、僕が心からおすすめしたいのがこちらです。
EaseUS Todo Backup Home版
このソフトは、初心者でも直感的に操作できるインターフェースと、システムクローン専用の高機能がそろっています。実際、今回とは別に別PCでこのツールを使ったときは、何のトラブルもなくスムーズにクローン&起動成功できました。
→ AmazonでEaseUS Todo Backupをチェックする
SSDクローン作業で失敗したくない人には、本当におすすめです。
まとめ|今回の復旧作業を振り返って
今回、SSDクローン作業にチャレンジして、改めて実感したのは、
「クローンが成功しても、それだけでは終わらない」
ということでした。
特に富士通のノートPCのように、トラブル解決ナビなど独自の領域を持つ機種では、
- EFIパーティションの正確な再構築
- ブート情報(bcdboot)を手動で整える
- BIOS設定の見直し
これらを丁寧に対応することが、トラブルを乗り越えるカギになりました。
また、起動できた後にも、Microsoftアカウント認証問題という新たな壁が立ちはだかることもあるので、
「焦らず一つずつ対処していくこと」
がとても大事だと感じました。
もし、この記事を読んでいるあなたが同じようなSSDクローン後の起動トラブルに悩んでいるなら、
「絶対に諦めないでください!」
正しい手順で進めば、必ず解決できます。
今回紹介した方法が、あなたの復旧作業のヒントになれば嬉しいです。
また、起動後にMicrosoftアカウントで詰まった場合の対応方法については、こちらの記事で詳しくまとめていますので、合わせて参考にしてみてください。
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